毛髪が生え変わる「休止期」の毛根内細胞の活動に注目
株式会社コーセー(東京都中央区)は、毛根を取り囲む毛包内に存在し、発毛に関係する役割を持つ2種類の幹細胞に注目し、その幹細胞に働きかけてダメージを抑える美容成分(ビワ葉エキス・シャクヤクエキス)を開発しました。
(画像はニュースリリースより)
毛髪が生え変わるサイクルとして、成長期、退行期、休止期という毛周期とよばれるものがあり、薄毛や白髪という状態は、何らかの原因で、このサイクルが機能しなくなることで起こると考えられています。
そこで、毛周期のうち、休止期の毛根内部の細胞、毛髪を包み込む毛包の根元あるバルジ領域とよばれる部分、ここにある毛を作る「毛包幹細胞」と色を作る「色素幹細胞」という2つの細胞の働きに注目したのでした。
毛根内にある「幹細胞」の働きに着目した美容成分
この2つの幹細胞が、成長期にそれぞれが細胞分裂することで、毛母に細胞の元が供給されて、毛髪が形成されることが明らかになってきたといわれています。
(画像はニュースリリースより)
この幹細胞は、新陳代謝が盛んな臓器に存在し、ほかの細胞の元となる特別な細胞で、自分自身を増やす自己複製能力と、ほかの細胞に分化(成長)する能力を持っていて、毛の成長に幹細胞が関与していることが知られています。
そして、バルジ領域内の幹細胞の核にあるDNAが損傷を受けると、幹細胞としての機能がなくなり、毛母への細胞の供給が止まってしまうため、健康な毛が育たなかったり、白髪が生じたりすると考えられています。
そこで、今回開発した美容成分が、これら幹細胞がダメージを受けることを抑えることにより、育毛や白髪の防止に応用されることが期待できるとのことです。
美容成分の幹細胞に対するダメージ抑制効果
このバルジ領域に存在する幹細胞に当社は注目し、細胞内のDNAに対するダメージ抑制効果のある成分を探したところ、ビワ葉エキスとシャクヤクエキスに、その効果があること見つけました。
(画像はニュースリリースより)
これはDNAに受けたダメージの指標であるγH2AXを免疫染色して、ビワ葉エキスとシャクヤクエキスを加えた場合のγH2AXが陽性である細胞の割合を比較して明らかになりました。
(画像はニュースリリースより)
また、クワの根皮より得られるソウハクヒエキスは、毛周期の休止期間を短くし、成長期へと促す働きがあると知られています。
当社では、幹細胞ダメージ抑制効果が見つかった、ビワ葉エキスとシャクヤクエキスに、ソウハクヒエキスを加えることで、育毛への複合的な効果が期待できると考え、育毛、まつ毛ケア製品への応用を予定しています。

株式会社コーセー ニュースリリース
http://www.kose.co.jp/jp/ja/ir/common_ir/pdf/news/20131122.pdf