デザインが、ファッションが生まれる“リアル”が見える
世界のトップブランド、CHANELとFENDIにおいてデザイナーを務める、Karl Lagerfeld(カール・ラガーフェルド)。現在はトミー・ヒルフィガーに売却されているが、過去には自身の名を冠したブランドも設立したほか、スタインウェイの創立150周年記念限定で制作されたピアノのデザインを手がけたこともあるなど、多岐にわたる活動で世界的な名声を得ている。まさに比類なきカリスマ・ファッションデザイナーであり、現在のモード界の王といっても過言ではない。
そんなファッション界で知らぬ者はいない、カール・ラガーフェルドの仕事とプライベート、リアルに迫った、ドキュメンタリー映画「ファッションを創る男~カール・ラガーフェルド~」(アルシネテラン配給)の日本公開が決定した。
彼の哲学を知ることができる貴重な作品
ラガーフェルド自身も企画から携わり、2年間にわたって200時間以上カメラを回して撮影したという密着ドキュメンタリーは、見応え十分。カリスマデザイナーとして、数々のセレブらと写真撮影をする華やかな様子や、まさに戦場であるファッションショーの裏側、そして彼がドレスをデザインしていくリアルな仕事現場、世界のファッションが生み出されていく最前線現場などが収められている。
一方で、読書家として知られる彼の、本が散乱しているアパートメントから、専属メイド付きの滞在先ホテルでの様子、移動中の機内での姿まで、プライベートな部分も、たっぷりと収録された。
インタビューでは、ファッションに対する熱い情熱や描いている夢、謎に包まれている幼少期のこと、さらにはセクシャリティにいたるまで、自身の言葉で語りつくしている。人生哲学、ファッション哲学として、注目すべき発言は多い。
第57回ベルリン国際映画祭コンペティション部門にも正式出品され、フランスでは2007年に公開されたこの映画。シャネルがブティックを開いて100周年となる今年、待望の日本公開が決定したことも意義深い。
本作品は、11月16日より、シネマート新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネマート心斎橋他、全国にて順次公開となる。ファッションに少しでも関心のある人はぜひ。

「ファッションを創る男~カール・ラガーフェルド~」
http://www.alcine-terran.com/lagerfeld/