1億6500万人が心の病を抱える
欧州では4割近くの人が精神疾患を抱えており、女性がうつ病を患う確率は男性より2倍以上も高い―欧州神経精神薬理学会(ECNP)が5日、このような調査結果を発表した。
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仕事と家庭、2倍の負担
今回の調査は、精神疾患や神経疾患について、欧州30か国の5億1400万人を対象に行われた。その結果、欧州では毎年38.2%が精神疾患を患っていることが判明し、2005年の調査時の27.4%から1割上昇した。最も多い疾患は患者の14%を占める不安神経症で、不眠症(7%)、大うつ病(6.9%)が後に続く。
全体的に精神疾患にかかる確率に男女の差はなかったが、うつ病については16―42歳の女性が男性より2.6倍高い数値を示した。調査を行った独ドレスデン大学のハンス・ウルリッヒ・ウィッチェン教授は、この年齢層について、女性が子どもを産む年代であることを指摘。
「彼女たちは仕事と家庭、2つの責任を負わなくてはならない」
と述べている。
調査では、精神疾患を抱えている人のうち適切な治療を受けているのは3分の1だけという結果も明らかになった。

European College of Neuropsychopharmacology(ECNP)
The Size and Burden of Mental Disorders in Europe