多くの研究結果が示唆
砂糖やブドウ糖果糖液糖をたっぷり使用した食品には、コカインやニコチンと同様の中毒性があるとして、米国の科学者らが警鐘を鳴らしている。
米国国立医学図書館(NLM)のデータによれば、過去1年の間に発表された28の研究・調査がこうした結論を導き出している。国立薬物乱用研究所(NIDA)のノラ・ボルコフ所長は
「これだけ多くの研究結果が出ているのだから、納得せざるを得ない。薬物が脳に与える影響と、食べ物が脳に与える影響にはかなりの重複部分がある」
と述べている。
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Jennie Faber]
脳内で同じ反応
これまでの研究では、肥満や過食症の人が好きな食べ物の写真を見せられると、意思決定をつかさどる脳の眼窩(がんか)前頭皮質という領域でドーパミンが活性化することが明らかになっている。これはコカイン中毒者が白い粉の入った袋を見せられたときと同じ反応なのだという。
また、ラットを使った実験でも、ジャンクフードを与えられたグループの脳内や行動に、コカインを投与されたグループと同じ行動の変化が見られたという。
こうした研究結果を受け、過食症の治療用の開発がすでに始まっている。食べ物の嗜好(しこう)を変えてしまう薬の開発を行っているという、フロリダ大学のマーク・ゴールド教授は
「例えばアイスクリームの中毒になっている患者の場合、肉に対する食欲を変えぬまま、アイスクリームに対する食欲だけを低下させる治療が行えるということだ」
と説明している。

Bloomberg Businessweek
Fatty Foods Addictive as Cocaine in Growing Body of Science